本の話

『山怪』

この夏は怪談本ばかり読んでいた『新耳袋』のシリーズ全10巻から始まって、 その続編の『九十九怪談』全10巻、『隣之怪』現時点で文庫が4巻をほぼ読みつくして、 他に面白そうなのがないか探しているうちに出会ったのが 『山怪 山人が語る不思議な話』だっ…

自分を表す33冊

以前、妻があるところで話に聞いたという「自分を表す33冊」というのを選んでみた。 なんで33冊かというと、 人生の中で本気になって読む本はそれぐらいの数なんじゃないか、とのこと。 --- 藤子・F・不二雄『ドラえもん 15巻』 ※一番最初に読んだ漫画、一…

人生100年時代

秋に受講する研修の推薦図書として リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著 『ライフシフト 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社 / 2016年) という本を取り寄せて読んだ。 先進国を中心に平均寿命が延びている。 100歳を超える日もそんなに遠くは…

鯨に飲み込まれた男

昨晩寝ていた時、夢うつつで そういえば鯨に飲み込まれた男の話を小さい頃よんだなあ ということをずっと考えていた。 リーダーズダイジェスト社の大型本のひとつに 『世界不思議物語』というのがあった。 古今東西の不思議な出来事を集めた図鑑のように大き…

怖い話

辛いものと怖いものはよく似ている。 ダメな人は全然ダメ。 いける人はもっともっと刺激の強いものとなってしまう。 相変わらず休みの日は『新耳袋』のシリーズを読んでいる。 ほんと怖い。 下の部屋で一人読んでいると、何かいるんじゃないかと嫌な感じにな…

神保町さくら通り・靖国通り

昨日、『おさんぽ神保町』の取材。 靖国通りから一本入ったさくら通りを歩いた。 白山通りはよく店が入れ替わるけど、 さくら通りはそこまで替わらないかな、でも最近ギャラリーが増えましたねと。 古書店街の鄙びた街並みの中にシックなギャラリーが溶け込…

神保町で爆買いを

コロナ禍の影響もあり、一年ぶりに『おさんぽ神保町』の取材。 朝一で荻窪の床屋に行ったのち、新宿のタワレコでワゴンセールをぶらぶらして 昼過ぎに神保町へ。 昨晩のNHK-BS『新日本風土記』の舞台が学生街としての神保町・お茶の水界隈で、 取り上げられ…

「玉川上水散策絵図」

先月、妻と国分寺を散歩したとき 南口を出て東京方面の坂を下ったところにある古本屋に入った。 僕が学生生活を過ごした90年代にもあったかどうかは覚えていない。 マンションか雑居ビルの地下にあって古着屋と3、4軒並んでいる。 ほんやら洞の近くにあっ…

ヤプーのこと

Wikepedia より引用。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『家畜人ヤプー』(かちくじんヤプー)は、1956年から『奇譚クラブ』に連載 され、その後断続的に多誌に発表された沼正三の長編SF・SM小説。なお、本作 品はマゾヒズムや汚物愛好、人体改造を含む…

読書というもの

妻が先週、文庫になった寺田寅彦の随筆集を何冊か買ってきた。 まだ先になるというのでたまたま目に留まった一冊を借りて読んでみることにした。 『銀座アルプス』というタイトルで、例の洋食屋のことだろうかと。 カツカレー発祥の店。 数ページ単位の随筆…

焼肉の日

今日は焼肉の日であるという。 外で食べるのもいいが、家でホットプレートで焼くのもいいか。 焼肉はカレーライスと並んで 家の中で食べるのと外で食べるのとで全く違う食べものになる両巨頭だと思う。 今までたいして気にしてこなかったが、家で食べるとき…

老猫あるいは猫子

昨晩、妻と老子・荘子の話になる。 仕事からの帰り道、『老子』を読んだのだという。 「老子のような存在が家にいる」と言うので僕は「それはみみたのことか」と。 有名な「胡蝶の夢」とは実はこういう話なのである。 「夢の中のカリカリが現実なのか、現実…

横光利一「蠅」

先日、小学校・中学校の国語の教科書で読んだ作品のうち、 タイトルが思い出せずに読み返せずにいるものについて書いた。 思い出したうちのひとつに横光利一の「蠅」があって、 岩波文庫から出ていた短編集をもう一度読み返してみた。 記憶に違わずやはりこ…

忘れてモーテルズ『いつかの夜の』/河崎秋子『肉弾』

昨日聴いて、読んで、こいつはすげえな! と思ったのを紹介。 --- 忘れてモーテルズ『いつかの夜の』 https://www.amazon.co.jp/dp/B07DFS5QWR このバンドについて詳しいことはあんまり知らない。 2年前の秋、大阪心斎橋の「Time Bomb Records」で見かけて …

『海人ゴンズイ』

先月、ジョージ秋山が亡くなった。そのニュースを先日知った。 『浮浪雲』や『銭ゲバ』辺りが代表作に挙げられるし、 恥ずかしながら僕も拾い読みしかしていないが、やはりその辺りだと思う。 でも僕が真っ先に思い出したのは少年ジャンプに連載されていた『…

マガーク少年探偵団

小学校の頃は毎週土曜の午後はバスに乗って青森駅までに出て、耳鼻科に通っていた。 とても混んでいるところで13時過ぎに診察券を入れて、呼ばれるのは早くて17時という。 待合室はいつもギュウギュウで座れず外で立って待っている人もいた。 そこにずっとい…

檀一雄の見た太宰治

年末年始に青森帰ったとき、東京に戻る前に新町の「成田本店」に立ち寄った。 このときは僕も妻も太宰治にアンテナが引っかかって、 妻は走れメロスをそれぞれ、津軽弁で朗読したものと市川悦子とが朗読したものと 二種類のCD付きの本を買った。 僕は檀一雄…

人のために働くということ

『カーネル・サンダース 65歳から世界的企業を興した伝説の男』(藤本隆一著)を 昨日から読み始めて終わりの方まで来た。 言わずと知れたケンタッキー・フライドチキンの創業者。 60歳を過ぎてから立ち上げたとはなんとなく知っていたが…… 壮絶な人生だった…

ヒロシ『ひとりで生きていく』

先日新宿の紀伊国屋書店に行ったらヒロシの本が目立つところに山積みになっていた。 『ひとりで生きていく』というタイトル。 サイン本であるという。思わず買ってしまった。特典でクリアファイルももらえた。 子供時代から群れの中に入っていくことができず…

尾崎放哉を真似る

この土日、小豆島を訪れた。 自由律俳句で有名な尾崎放哉が粗末な庵に住んで生涯の最後を過ごした地であり、 墓参りをして記念館を訪れた。 句集の文庫を買い求め、ホテルで過ごす夜、帰りの飛行機の中で読んだ。 「咳をしても一人」 「墓のうらに廻る」 「…

ゲームブックというもの

先週金曜の夜、妻の取材に付いていった。 僕も以前一緒にお仕事させて頂いたことのある方へのインタビューで、 その途中「子供の頃好きだったものは何ですか?」という質問が出た。 「岡村さんも好きだったんじゃないかと思うんですけど。ゲームブックってわ…

西村京太郎

妻が図書館から借りてきた『Discover Japan』の9月号を読んでみた。 特集が「夢のニッポンのりもの旅。」ということで 鉄道関係だと 「西村京太郎さん サスペンスと列車旅」 「六角精児さん 列車と車窓と酒と」 「三陸鉄道リアス線 ひとふで書きの旅」 「黒…

ルールとメッセージ

以前、物語の読者が物語に求めるものは 魅力的な「世界観」(ワールドモデル)とその中を生きる「キャラクター」に尽きるんじゃないか、 一方で「ストーリー」は奇抜なものよりも馴染みのある類型に沿ったほうが落ち着く、 ということを書いた。 世界観には…

『大予言事典 悪魔の黙示666』

先日予言のことについて書きましたが。 MU BOOKSの一冊、『大予言事典 悪魔の黙示666』を古書で入手することができて、読み返してみた。 1982年に出版された月間ムーの別冊。 80年代半ばの小学生の頃に買って、余りの怖さに即手放してしまった。 「大予言事…

2018年の3冊

年も明けてだいぶたちましたが、昨年発売された本の中から3冊選んでみる。 新刊で話題の本もなかなか買わないし、買っても積読行きで読むのは数年後。 そんな中、出てすぐ読んだ本のいくつか。 1)ライムスター宇多丸など『ブラスト公論〜誰もが豪邸に住み…

荻窪「Title」

昨日は荻窪に用があって、午後、妻の車で。 笹目通りを下って20分もしないで到着する。 前を通りがかると「ビンギリ」に行列ができていない。 コインパーキングに停めて閉店間際駆け込む。 用事を終えて青梅街道を歩いていると妻が 「そうだ、行ってみたい店…

一ノ瀬泰造『地雷を踏んだらサヨウナラ』

今週の行き帰り、一ノ瀬泰造『地雷を踏んだらサヨウナラ』を読んでいた。 昨年、日本橋の高島屋に沢田教一の写真店を見に行った時に 沢田教一の写真集と合わせて買った。 1972年、24歳の時に単身、ベトナム経由でカンボジアへ。 もちろんこの頃はどちらの国…

ABC閉店

この日もまた、妻の教室の汁講(オフ会)に参加。 六本木の青山ブックセンターが明日6/25(月)で閉店というので皆で訪れる。 編集学校の方にばったりお会いするんじゃないかと思っていたら、やはり。 深夜にも開いていたし、お世話になった人は多いでしょうね…

本屋2.0

最近妻とよく、「本屋2.0」が来てるな、という話をする。 本屋×何か+能動的な読者とでも言うべきか。 妻がたまたまテレビをつけたらニュース番組でも特集で 最近話題の本屋が取り上げられていたという。 東京だと最近カギを握るのは「かもめブックス」なの…

本屋というもの? (続き)

昨日、本屋をこれから開くのは大変だと書いたけど、 元ジャックスの早川義夫も言うように古本屋はもっと大変で。 BOOKOFF一人勝ちで町の古本屋をなぎ倒してしまった。 ごく普通だと生き残れない。 見かけるのは専門性が高いか、 カフェと一体化しているなど…