本の話

『雪のひとひら』

先日、中野ブロードウェイの Recomints に中古CDを買いに行ったときに ポール・ギャリコの『雪のひとひら』を朗読しているアルバムを見つけた。 すごいメンツで、2枚組の1枚目、日本語版の朗読が矢野顕子。 2枚目の英語版の朗読がピーター・ガブリエル。 …

2010年代これを読め

先週に引き続き、2010年代の読むべき本のリスト。 並びは特に順位を表すのではなく、順不同。 分かった範囲でオリジナルの出版年としてある。 『海街diary』『バガボンド』の1巻は2000年代だけど 今も続いているということで2010年代へ。 翻訳ものは日…

2000年代これを読め

選本の続き。2000年代で選んでいた本が そもそも棚がなくなったということで作業メモをこちらに。 何十冊か選んだ中で2000年代でこれを読むべきというリストを選び直してみた。 これまでに読んできたものと この2・3日漁った中でこの辺りどうだろう、とい…

児童文学の誕生

選本の話の続き、というか余談。 いろいろ集めていくうちに気付いたのが、 児童文学の古典というのが20世紀の初めに多いんだな、ということ。 いくつか挙げてみると… ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』(1900) セルマ・ラーゲルレーヴ『ニルス…

本を選ぶ

先週から頼まれ仕事で本を選んでいる。 5冊とか10冊のレベルではなく、数百冊単位で。 来週締切なので、自由になる時間のほとんどをこの作業に費やしている。 自宅にある本、図書館から借りて読んだことのある本から 最初のうちは選ぶんだけど、それでは全…

ここ200年の小説、50冊。

ここ200年の面白い小説、というお題が出た。 50冊選んでみる。 まず候補を200近く出してみて、 自分が読んでないものを振るい落し、 そこからさらに絞り込んでみた。 こんな感じになった。 順不同、思いついた順となる。 やっぱあれこれ偏ってるね。 フラン…

寺山修司「星の王子さま」を朗読する

昨晩は半年ぶりぐらいに「遊読夜会」に顔を出す。 今回のテーマが寺山修司の戯曲「星の王子さま」だったので。 神保町から四谷三丁目まで歩いていく。 お濠の側だと皇居ランの方たちの邪魔になるので外側の方の通りを歩く。 夕暮れ。大勢の人たちが走ってい…

漱石と神田

先月から引き続き、今月はずっと夏目漱石を読んでいる。 『夢十夜』『思い出す事など』『それから』『草枕』と来て 今は『彼岸過迄』が半分まで、 並行してエッセイの『硝子戸の中』も半分ぐらい。 『それから』は展開が遅くていまひとつ乗り切らなかったけ…

「夢十夜」

夏目漱石の『夢十夜』を読む。 『坊ちゃん』や『吾輩は猫である』『こころ』が一般的な代表作だとしたら 『草枕』や『夢十夜』が漱石研究、日本近現代文学研究としての代表作だろうか。 例えば、高山宏先生の『夢十夜を十夜で』などがある。 自身の体験によ…

猫つれづれ

猫語の教科書 (ちくま文庫)作者: ポールギャリコ,Paul Gallico,灰島かり出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1998/12/01メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 238回この商品を含むブログ (129件) を見る iPhoneのアプリに「ねこあつめ」というのがあって最近ち…

神保町で本を

今日は妻が担当している教室の汁講(オフ会)。 神保町で終日、というので僕も最初から参加した。 以下、買った本・買わなかった本のメモ。 グッドモーニング・カフェで昼食と自己紹介の後、 神保町の古書店街で一時間ほど過ごす。 小宮山書店のガレージセー…

『羆嵐』

今週は妻が持っていた吉村昭『羆嵐』を読んでいた。 大正四年、北海道の貧しい開拓地を襲った身長2.7m、体重380kgにもならんとする巨大熊。 打ちひしがれる村人たち。一人寡黙に立ち向かう酒癖の悪い、嫌われ者の老漁師。 威張り散らす警察署長によって周辺…

『夜と霧』

今週前半はヴィクトール・フランクル『夜と霧』を読んでいた。 有名な本であって、いつでも読めると思っているうちに 学生時代から十数年が経過していた。 ウィーンの心理学者であった著者が アウシュビッツやその他の収容所で体験したことを語る。 物語仕立…

『木村伊兵衛 傑作選+エッセイ 僕とライカ』

ふとしたきっかけに 『木村伊兵衛 傑作選+エッセイ 僕とライカ』という本と出会い、今週読んでいた。 http://www.amazon.co.jp/dp/4022578327 写真家:木村伊兵衛のことは恥ずかしながら名前しか知らなかった。 というか、新人写真家の登竜門「木村伊兵衛写…

寺山修司に触れ直す

木曜は四谷三丁目の「喫茶茶会記」にて「遊読夜会」に顔を出す。 月一のシリーズ、昨年の『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』以来。 今回のテーマは「寺山修司・界読 少女篇」ということで ナビゲーターの方が寺山修司の書いた少女文学の代表的な…

柴崎友香さんの話を聞きに行く

先週10日(水)は編集学校のイベントで豪徳寺へ。 「ISISフェスタ」と称して2週間、様々に公開講座が開催された。 学校ゆかりの著名人としてお招きしたのは今回、安田登、大澤真幸、柴崎友香の三氏。 そのうち柴崎友香さんのを聞きに行った。 大阪から東京に…

『もしドラ』

先日小宮山書店で3冊500円の古本で買って会社の机の脇に積んでいた 『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』 をなんとはなしに手にとった。 火曜の帰りの地下鉄で読み始めて、木曜の行きの地下鉄には読み終わる。 朝夕…

B&B → フィクショネス

雨、予定のない土曜日。 床屋に行くもいっぱいでそのままフラッと丸ノ内線に乗って本を読む。 東京駅で下りて神保町まで雨の中を歩いて行く。 ラーメンを食べる。帰り道、汁講(編集学校のオフ会)に来ませんか? とお誘いがあって、自分の担当教室のところ…

『ナタリー』

縁あってフランスの小説『ナタリー』に興味を持つ。 ダヴィド・フェンキノスは amazon の著者略歴を参照すると 「ソルボンヌ大学で文学を専攻。ジャズ・ギターのインストラクターを経て、2002年にデビュー」 とあった。魅惑の経歴。 本をパラパラとめくって…

高村智恵子とジョージア・オキーフ

このところ高村光太郎の『智恵子抄』を何度か読み返した。 「智恵子は東京に空が無いといふ」で知られるあの『智恵子抄』だ。 福島県の二本松市が出身だったとか、家は裕福であったが没落したとか、 晩年は心を病んで長期入院していた病院で切り絵をつくって…

COREDO室町など

木曜から雨が降り続いて今日で3日目。 金曜のような大雨ではないが、一日降り続いた。 『グランド・ブダペスト・ホテル』はどうしても観ておかなくちゃと 公開から2日目の土曜、事前にチケットを予約して観に行く。 「COREDE室町」にできたTOHOシネマズ日…

モヤモヤしたもの

昨晩は3.11関係の本をまとめて広い読む。 - 『福島原発の闇 原発下請け労働者の現実』堀江邦夫、水木しげる 有名な『原発ジプシー』の抜粋ということになるのかな。 1979年に『アサヒグラフ』に書かれたルポルタージュ。 「一九七九年四月、一人の青年が死ん…

『変身』

ある朝目覚めたら「毒虫」になっていることを考える。 布団の中でモゾモゾする。 首を持ち上げることができない。寝返りも打てない。 そもそも動かす手足がないことに気づく。 いや、手足はある。しかもゾワゾワと無数に。 視界の外れでそれは僕の意志に関係…

『家族喰い――尼崎連続変死事件の真相』

家族喰い――尼崎連続変死事件の真相作者: 小野一光出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2013/10/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る 昨晩は会社の帰りに神保町の三省堂にて行なわれた 『家族喰い――尼崎連続変死事件の真相』 http://www.amaz…

『ホットロード』

ホットロード (1) (マーガレットコミックス)作者: 紡木たく出版社/メーカー: 集英社発売日: 1986/12メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログ (29件) を見る先日、紡木たく『ホットロード』全4巻と『瞬きもせず』全7巻を借りた。 『ホットロー…

「宮沢賢治と<再生>の物語」(本編)

明大和泉キャンパスへ。 僕は当日のスライドと消灯・点灯係となっている。 スライドはノートPCをプロジェクターに映して、 消灯・点灯は iPad からとなっていた。さすが新しいだけある。 スライドは福島沿岸を撮影した者や、避難所での活動を紹介するもの。 …

『Industrial Music for Industrial People !!!』

INDUSTRIAL MUSIC FOR INDUSTRIAL PEOPLE!!!: 雑音だらけのディスクガイド 511選作者: 持田保出版社/メーカー: DU BOOKS発売日: 2013/10/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 東京に出てきて20年。 僕はこの本を探していた、ずっと追い求め…

絵本を読む

先日、友人の出産祝いに絵本を買おうと 神保町三省堂のエスカレーターを上っていくと 壁に絵本のページが貼り出されている。 石川五右衛門みたいな男たちがとぼけてる感じで 『どろぼうがっこう ぜんいんだつごく』 今話題の本ということで平積みもされてい…

柳田国男『海上の道』

ここ2週間、柳田国男『海上の道』を読んでいた。 http://www.amazon.co.jp/dp/4003313860 遺作となる。 民俗学の分野におけるこれまでの研究成果の厖大な蓄積を元に 気になる事の些事を語っていく。まさに遺言。 これが民俗学を超えた日本の学問全般を視野…

石牟礼道子『苦海浄土』

新装版 苦海浄土 (講談社文庫)作者: 石牟礼道子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/07/15メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 175回この商品を含むブログ (71件) を見る ふとしたきっかけで石牟礼道子『苦海浄土』を読んだ。 読んでしまったら引き返せなく…