本の話

石牟礼道子『苦海浄土』

新装版 苦海浄土 (講談社文庫)作者: 石牟礼道子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/07/15メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 175回この商品を含むブログ (71件) を見る ふとしたきっかけで石牟礼道子『苦海浄土』を読んだ。 読んでしまったら引き返せなく…

母語と外国語

青森に帰っていた間に 多和田葉子『エクソフォニー 母語の外へ出る旅』を読んでいた。 http://www.amazon.co.jp/dp/4006022115 こんな一節があった。引用します。 「生まれたばかりの子にあらゆる言語を話す能力が 潜在的に具わっているというのは素晴らしい…

『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』

チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β vol.4-1作者: 東浩紀,津田大介,開沼博,速水健朗,井出明,新津保建秀,上田洋子,越野剛,服部倫卓,小嶋裕一,徳岡正肇,河尾基出版社/メーカー: ゲンロン発売日: 2013/07/04メディア: 単行本(ソフトカバー)…

読書のBGM

会社の行き返りに地下鉄の中で本を読む。 iPhoneで音楽を聴く。 このときのセレクションに当たってはふたつの傾向がある。 1) 声/歌があるよりも演奏だけのほうが 読みやすいという観点で選ぶ 2) 初めて聞くアルバムよりも昔からなじんでるアルバムの方…

ダニエル・ラノワ『ソウル・マイニング』

ソウル・マイニング―― 音楽的自伝作者: ダニエル・ラノワ,鈴木コウユウ出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2013/03/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 1980年代を代表する2枚のアルバム U2『The Joshua Tree』ピーター・ガブリエル『So…

ボンカレーというもの

斉藤由多加著『「ハンバーガーを待つ3分間」の値段』という本を 先月ゴールデンウィークの頃に読んだ。 著者は一世を風靡した「シーマン」などのゲーム・クリエイター。 サブタイトルが「企画を見つける着眼術」となっていて まさにその通りの本。どこから…

浦島太郎メモ

訳あって浦島太郎について調べていた。 その歴史を知りたいとなったとき 三舟隆之著『浦島太郎の日本史』(吉川弘文館)という本がちょうどよかった。 せっかくなので要点をまとめます。 ・『日本書紀』によれば浦島太郎が竜宮に向かったのは 雄略天皇二十二…

東洋文庫ミュージアム

編集学校の汁講(オフ会)後半戦。 昨晩東京に戻ってきて、今日は駒込の東洋文庫ミュージアムへ。 http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/ 12時に待ち合わせて、併設のレストラン「オリエント・カフェ」 ミュージアムの中庭に面していて眺めがいい。 周りは有…

ゴールデンウィーク '2013

日本の絶景作者: 富田 文雄,山梨 勝弘出版社/メーカー: パイインターナショナル発売日: 2011/06/15メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る ゴールデンウィークもあと1日で終わり。 学校関係でやらなきゃいけないことがあれこれあって …

『僕たちのゲーム史』

編集学校の応用コース「破」のカリキュラムのひとつ、 クロニクル編集術の課題図書のひとつとして さわやか著『僕たちのゲーム史』を読んだ。 http://www.amazon.co.jp/dp/4061385240/ 「スーパーマリオ」のようなゲームはなぜ生まれなくなったのか? という…

『凍りの掌』『地上の記憶』

金曜の夕方、ふとマンガが読みたくなって神保町三省堂の2階へ。 2冊目に留まって、どちらも知らない人だったけど 妙に気になって買ってみた。 おざわゆき『凍りの掌』 http://www.amazon.co.jp/dp/486225831X/ 白山宣之『地上の記憶』 http://www.amazon.c…

中里恒子『時雨の記』

最近出会ったとある方が座右の書にしているというので 図書館に行くついでに借りてきた。 中里恒子『時雨の記』 恥ずかしながら知らなかった。 1909年生まれ、1987年没。 1939年、「乗合馬車」で女性初の芥川賞を取る。 『時雨の記』は1977年。 めったに自分…

『物語論の位相』メモ

朝晩、行き帰りにジェラルド・プリンス『物語論の位相』を読んでいる。 難しい内容も多く、帰りは途中のどこかで居眠りしている。全然進まない。 以下、メモ。 登場人物、語り手、作者、読者。 それぞれの距離感。それぞれの関係性。それぞれに流れる時間。 …

地下鉄読書

自分にとって最も気楽にかつ集中して 本が読める場所は地下鉄の中だと気づいて、 途中で乗り降りありつつも 土日は丸の内線で荻窪−池袋間をそれぞれ往復した。 往復1時間半で読書にちょうどいい長さ。 車内は温かいし、椅子も柔らかい。 これであと個室にな…

『世界屠畜紀行』『飼い喰い 三匹の豚とわたし』

世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)作者: 内澤旬子出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2011/05/22メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 70回この商品を含むブログ (57件) を見る 先月、『食人族』を借りて観た。 人を殺す部分はどうって…

神田古本まつり

昨日の昼休みは「神田古本まつり」に出ていたワゴンをブラブラと覗いて過ごした。 天気がよかったせいか、月曜だというのになかなか賑わっていた。 この前の土曜は人手がすごかったんじゃないかな。 身の回りの人も何人か facebook や twitter にて触れてい…

松丸本舗最終日

昨日日曜の夕方は松丸本舗の営業最終日。 丸の内OAZOの丸善に顔を出してきた。 本当は一昨日土曜の夜、師範代養成コースである花伝所の 入伝式恒例の校長講義「編集工学2.0」が 最初で最後の公開講座として松丸で開催されることになっていた。 しかしそれは…

丸善に檸檬を置く

9/10(月)、友人の冗談にヒントを得て、 丸善(というかその中の松丸本舗)に檸檬を置いてきた。 「丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が私で、 もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として 大爆発をするのだったらどんなにおも…

スチームパンクというもの

昨晩は訳あって、図書館から借りた スチームパンクの画集・カタログを2冊パラパラと眺めていた。 スチームパンクって、80年代SFにサイバーパンクという 古典はもういいじゃん、ハイテクでもっと斬新なことしようぜって ムーヴメントが起きたのちに、派生し…

「絵本で哲学する」

昨日は「松丸主義の日 vol.2」ということで顔を出す。 学校関係で知っている人に何人かお会いする。 http://www.matsumaru-hompo.jp/?p=3487 いつもお世話になっているBSE(ブック・ショップ・エディター)の方が 「絵本で哲学する」という新しいワークショ…

『花のズボラ飯』

長らく借り物だった『花のズボラ飯』を昨晩ようやく読んだ。 1巻と2巻。昨年の「このマンガがすごい」で 女性版の1位を獲得したということでその名前は知っていた。 10月には深夜のテレビドラマにもなるみたいですね。 ズボラな主婦の花が本屋でバイトし…

『松丸主義の日』『無日死花菜詩』など

猛暑。7月の土日は編集学校だけで終わってしまったなあ… 集まりに出たり、部屋に閉じこもって作業や指南だったり。 今日もそう。朝起きて指南をひとつ。 午後は丸の内OAZOの松丸本舗へ。 9月末に閉店が決まって今日は急遽『松丸主義の日』というイベント。…

松丸本舗閉店

丸の内OAZO:丸善内の松丸本舗が9月末をもって閉店。 前から噂には聞いていたけど、 松岡校長自身のツイートから正式に発言があった。 https://twitter.com/seigowhibi/status/224828651638763520 その後まとめなどいくつか現れた。 「松岡正剛_松丸本舗閉…

『モモ』

本格的に物語を書く必要に迫られて、何かを読もうと思ったときに ミヒャエル・エンデの『モモ』が思い浮かんだ。 前の前の日曜。ちょうどその日は丸善の松丸本舗に行くことになっていた。 カゴにコンパクト版を入れていたらブック・ショップ・エディターの方…

老子というもの

先週から、『バカボンのパパと読む「老子」』という ドリアン助川の書いた本を読んでいる。 1章ごとに原文と口語訳と「バカボンのパパ語」訳とが載っている。 もちろん3つ目がポイントで、もちろん「これでいいのだ」で結ばれる。 http://www.amazon.co.jp…

『ネムルバカ』

ネムルバカ (リュウコミックス)作者: 石黒正数出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2008/03/19メディア: コミック購入: 28人 クリック: 273回この商品を含むブログ (247件) を見る 昨日に引き続き。 昨晩は有楽町の日劇に『ファミリー・ツリー』を見に行ったあ…

マファルダ、水島爾保布

昨晩は編集学校OB/OGのゆるい集まり。 今回もまた四谷三丁目の喫茶茶会記にて、 自分の好きなものを皆にリコメンドするという。 出て来たキーワードを順不同にいくつか並べてみると… 水島爾保布、マファルダ、ネムルバカ、阪急電車、佐々木昭一郎、 今日泊亜…

下井草図書館

昼、下井草方面を開拓しようと思って歩いていく。 長浜ラーメンの店を見つける。なかなかうまかった。 満足して帰り道につく。 歩いていたら下井草図書館に入る道を見つける。 途中にあることは知っていたけど、 どこにあるのかは知らなかった。 寄り道して…

アヴァロン

ローズマリ・サトクリフによる『アーサー王最後の戦い』を読み終えた。 最後の戦いにて致命的な傷を受けた老アーサー王は 月光に照らされた湖面を三人の死せる貴婦人に伴われて舟で渡りアヴァロンへ。 リンゴの木の生い茂る小島。 そこは生者の世界と死者の…

『中央線 街と駅の120年』

今日床屋にて待っていたときに 『中央線 街と駅の120年』というムックをパラパラとめくった。 http://www.amazon.co.jp/dp/453307698X/ JTBから出ていて、その名の通り、 中央線沿線の各駅の昔懐かしい写真を集めている。 戦前の荻窪は路面電車が走っていた…